歴史小説「花神」感想

花神〈上〉 (新潮文庫)

花神〈上〉 (新潮文庫)

時代は幕末。主人公は長州藩の軍師 村田蔵六(後の大村益次郎)。

蔵六はもともと医者なのだが、外国語に精通していることから抜擢され、蒸気船の製造や、長州藩軍師として、才能を発揮していく。

彼の役割はリーダーではなく、どちらかというと軍師・参謀。

軍隊の訓練・武器の調達・実戦における戦略立案を、理論立てて実行していく。時には冷酷な判断も選択しつつ。

読んだのは大学の頃だが、当時から蔵六の生き方にあこがれていた。

蔵六は、自分で望んだり周りにアピールしたりしたわけでもないのに、才能を認められ、やりがいのある仕事をどんどん任されていく。

今の私の仕事が、技術職でも地道な裏方作業が多いため、蔵六の環境にオーバーラップする面もあり、私にとって「花神」は司馬作品の中でベスト3に入る本である。