歴史小説「関ヶ原」感想

関ヶ原〈上〉 (新潮文庫)

関ヶ原〈上〉 (新潮文庫)

関ヶ原〈中〉 (新潮文庫)

関ヶ原〈中〉 (新潮文庫)

関ヶ原〈下〉 (新潮文庫)

関ヶ原〈下〉 (新潮文庫)

司馬作品の多くは、以下の2つに分類できると思う。

1.有能で、ほぼ欠点の無い主人公の話

2.何かしらの才能はあるが、欠点も多い主人公の話

1と2のどちらに感情移入するかというと、私は2の方である。
1の主人公は、カッコいいけどスーパーマンすぎて、自分には遠い存在に感じてしまうのである。
それに対して、「関ヶ原」の石田三成は、かなりダメな人物として描かれている。

三成は忠義に厚く、事務処理に秀でた才能があるが、人心掌握術が不得手だったため、徳川家康に敗れた。
人の上に立つ器でない人物は出しゃばらず、静かに働くのが幸せなのだということだろうか。