小説「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」感想

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年

村上春樹作品は「1Q84」に続き2冊目。

自分に自信の持てない主人公が過去のトラウマを解消するために昔の仲間に会う話。

それなりに楽しめたが、世間で騒がれる程かと言われると、良く分からない。

昔の村上春樹作品からリアルタイムで読み続けている人には面白いのだろうが、自分はまだその境地には達することは出来ていないのだろう。

そのとっつき難さが何なのかというと、自分にとっては以下の2つだ。

1.伏線の未回収ぶり  

最後まで読んでも、いくつかの謎(灰田父が昔会ったピアニストの話・シロの事件など)はまったく解決していない。

そこは読み手に解釈を委ねている部分なのは分かるんだけど、自分はまだそれを許容できる程、読書的な懐が深くないのだと思う。

2.登場人物みんな広い教養があるところ  

主人公のつくる・灰田など、登場人物は広い教養(クラシック音楽・古典文学など)があり、会話の中でそれ前提の比喩が多用される(「1Q84」の方がより顕著だったけど)。

別に知らなくても特に問題なく読み進められるのだけれど、読んでて自分の教養の無さを感じて恥ずかしくなってしまう。

 

上記2つの理由どちらも自分の人生経験や教養が発展途上であることが根本原因な気がするので、それらをもう少し付けた上で、また村上春樹作品に再チャレンジしたい。