ビジネス書「「ワンピース世代」の反乱、「ガンダム世代」の憂鬱」感想

「ワンピース世代」の反乱、「ガンダム世代」の憂鬱

「ワンピース世代」の反乱、「ガンダム世代」の憂鬱

概要

人間の人格形成期であるティーンエイジに読んだ漫画・アニメを軸に分けた2つの世代

 ・ワンピース世代=1978-1988年生まれ(20代前半-30代前半)

 ・ガンダム世代=1960-1969年生まれ(40代前半-50代前半)

の世代間比較、おじさんと若者とのコミュニケーション論みたいなライトなビジネス書と見せかけて、実際は違う。「看板(タイトル)に偽りあり」の良い例。

 

この本で本当に言いたい趣旨は、現代日本の世代間格差・国家財政の問題点。そして最終的には、将来起こりうる世代間闘争の仮想ストーリー(ワンピース世代の反乱)を展開し、こんなバッドエンディングにならないように今の時代に対策を打たねばならない、ということ。

 

感想

ワンピース世代とガンダム世代の比較考察は、非常に納得。自分の会社を見渡してみても、会社・社会への帰属意識が根っから染みついているガンダム世代と、仲間・個人的な夢を優先するワンピース世代とでは、目指すところが違うので話が合わないということはしばしばある。

この点は、歩み寄ることも大事だけど、ある程度お互い理解しあえないことを認めて接するしかないのではないか、と感じる。

 

そして、この本の最終章の仮想ストーリー。

 2015年 日本国家財政破たん

 2020年 雇用や社会保障面で虐げられた若者がSNSで共同体を作り、独自の電子貨幣を持ち、税金・社会保障費を払わなくなり、政府から独立するようになる「二重政府」状態に。

 

こんなこと本当に起こるのかどうか分からない。けど、日本の借金が今のまま増え続けたら、可能性ゼロな話ではないと感じた。

今の世の中は世代間格差に対する危機感が足らないのかもしれない。

多くの国民に問題意識を持ってもらうため、もっとマスコミで取り扱ってくれないか、と思う。

その一つの手段として、誰かこの仮想ストーリーを元に近未来のエンターテインメント経済小説を書いてもらって、映画化してもらいたいと思った。