SF小説「幼年期の終わり」感想
- 作者: クラーク,池田真紀子
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2007/11/08
- メディア: 文庫
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古典SF小説の名作。アーサーCクラーク著。
スケールが大きく感動的な話らしいとのことで読んでみた。
あらすじ
ある日、突然宇宙船でやって来た宇宙人オーヴァーロード(最高君主)たち。彼らは地球人を攻撃したり奴隷にしたりするのではなく、姿を見せないまま国連を通して世界各国を統治し、戦争・差別・犯罪の無い平和で理想的な世界を作り出す。
宇宙人がやって来て統治される第1部「地球とオーヴァーロードたち」、世界中が平和で豊かになった第2部「黄金期」、人類の進化と滅亡を描いた第3部「最後の世代」。三部構成で約100年間の人類の盛衰を描く壮大なSF小説。
感想
第1部から第2部の前半までは、宇宙人の本当の目的は何か、なぜ姿を見せないのか等の謎を起点としたSFミステリーであり、それだけでも十分知的好奇心を刺激させてくれる。
第2部後半以降は、人類は自由なき平和に満足できるのか、悪意を持つことを禁じられた世界で退屈せずに生きられるか、という哲学的なテーマが展開され、考えさせられる。ここまでは、SFでありながら、哲学的な思考実験の命題を与えられている気分で読んだ。
一方、ラストの衝撃的な展開(特に、人類が次の段階へ進化した姿と、宇宙全体の意思みたいなもの)は、理解の域を超えており、さすがに何のことやら分からない部分もある。
でも、人類の理解の範囲を超えた存在とか、実は人類は宇宙の中では文明後進国だったみたいなSF設定は、今現在の色々なアニメ・漫画などでよく見かける物であり、この小説の凄いところは、それを1950年代に最初に描いた作品だということなのだと思う。
この小説に影響を受けてるかも?と感じた作品
僕が知らないだけで、他にも影響を受けた作品はいっぱいあるんでしょうね。