教養本「哲学的な何か、あと科学とか」感想

哲学的な何か、あと科学とか

哲学的な何か、あと科学とか

概要

  • 「私」のような「ココロ」を持っているのは実は「私」だけで、他人は全部作り物(哲学的ゾンビ)じゃないのか?
  • 「私」が目で見る「赤」の色の質感(クオリア)は、他の人が見ている「赤」と本当に一緒なのか?

等の、人の「ココロ」に関する哲学や、量子力学相対性理論などの科学を、難しい言葉を使わず初心者向けに説明した本。

 

感想

 難しくて敷居の高い哲学・科学理論が、シンプルでとっつき易い事例(思考実験)と平易な(若干ふざけた)文章で分かりやすく書かれており、自分のような概要を知りたい初心者向けには良く出来た本だと思う。
 哲学や量子力学の解決していない問題は、一般人が考えても仕方の無いことだし、日常生活には多分役に立たない。でも、教養を増やすことは世界や人間の面白さを知ることであり、自分にとってはそれを知りたいという気持ち(好奇心)があることが、人が生きている意味のような気がしている。
 ドラえもんのどこでもドアの思考実験が、かなりホラー的。「どこでもドアが発明されたとして、その仕組みが、入口から入った時に肉体を破壊されて、出口で分子再構成されて肉体が作られる(肉体は別だが意識は継続される)、というものだったとしたら、ドアから入った人と出てきた人は同一人物と言っていいのか?入口から入った人を殺したことにならないのか?」
 単なる思考実験・空想とバカにしてはいけないと思う。科学の発達により、道徳観・倫理観が変わるという事例は過去何度も起こった話だから。