新書「小さな『悟り』を積み重ねる」

アルボムッレ・スマナサーラさんというスリランカ上座仏教のお坊さんが書いた「生き方」についての本。

人に紹介されて読んでみたが、仏教の教えを、現代日本の言葉・文化を使って説明してくれており、まあまあ分かりやすかった。

 

例えば、決定的で変えることのできない「運命」は仏教では否定しており、あるのは「業」という考え方。

「業」とは与えられた基本的な性格を作るものであり、パソコンのOSのようなものらしい。

OSは修正することはできないが、その上に載せるアプリケーションにより、そのパソコンで何ができるかが変わってくる。

もし、アプリケーションが気に入らなければ、別のものに乗せ換えれば良い。

つまり、人には向き不向きがあって、それぞれに合ったアプリケーション(生き方)を選ぶことで、人生の幸不幸が決まる。だから、今の生き方が合わないと思ったら諦めて別の道を探しても良いんだという心構えを持つことで、楽になれるということだと思う。

 

その他、述べられているのは、以下のような「悟り」への第一歩のための考え方。

  • 長期間の計画・目標を立てるのはやめて、「今」という目の前のことに全力で取り組むこと。そして「今」が瞬間になることが「悟り」
  • ギブ&テイク(自分が得しようとして奪い取る)ではなく、ギブ&レシーブ(お互いに与え受け取りあう)の利他の精神が大事
  • ポジティブシンキングは現実逃避になり、ネガティブシンキングは悪い面しか見ようとしない。より建設的に「どんな対応をすればよいか」「自分が成長するにはどうすればいいか」を考えるプログレッシブ(前進)という姿勢・考え方をすべき
  • 仏教の「中道」は両極端の考え方の真ん中という意味ではない。両極端にあるAとBを超越した道

 

これらの考え方は、まだまだ自分には実行に移すのは難しそう。

特に、計画・目標を立てるなとか、臨機応変な行動の出来ない、今の自分にはとても無理。