エッセイ「のはなしし」伊集院光著 感想
- 作者: 伊集院光
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2014/06/11
- メディア: 単行本
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ラジオパーソナリティでお笑いタレント伊集院光によるエッセイ。 彼の持つ、フツーの人とは違う独特の視点、理屈っぽさ、こだわりの強さ、想像(妄想)力の強さ、何にでも興味を持つ好奇心の強さが感じられる小話が約100本。
僕が一番好きだったのは、伊集院氏の奥さんの弟さん(中学生で亡くなった)が生前残したノートに書かれていた意味不明なメモの話。
「んかきそこねもの巻」の話。
笑い、切なさ、「わかるわかる」的な共感など、読んだ人に色々ものが混ぜ合わさった、何とも表現しづらいモヤモヤした感情を抱かせてくれる、絶妙の小話だと感じた。
他にも、
- 「好きなアニメ」の話 …TV番組のアンケートで子供の頃に好きだったアニメ5本を回答したら全部同じ演出家だったことが後で分かるという、嘘みたいで感心する話。
- 「死ぬ」の話 …子供の頃「自分が死んだら世界は消滅するんじゃないか」と考えて眠れなくなったという、ちょっと考えすぎちゃう子供にとっては「わかるわかる」的な共感話(僕も子供の頃そんなこと考えてました...)
- 「夕焼け」の話…小学生の夏休み、友達と毎日セミを採っては公園の倉庫に入れて倉庫をセミで満たそうとした、バカバカしくもラストに衝撃のどんでん返しのある話。
- 「現実逃避」の話…働かなくても、自分のウンコが高額で買ってもらえるようになったら、、、という妄想を発展させていく、荒唐無稽だけど部分的にリアリティのある妄想話。
- 「嫌いな映画」の話…松たか子の映画「告白」が(褒め言葉として)嫌いだという、人間の感性についての話。
などが面白いと感じた。
たぶん、読む人によって面白いと感じる話が違うんだと思う。