村上春樹作品の面白さを考える

 先日参加した読書会で、村上春樹作品がテーマでした。他の方の話を聞いて、村上春樹の魅力が何なのかという自分の中の整理が少し進んだ気がします。(僕は面白いと感じる物事の理由を分析・整理せずにはいられない性分なのです...)

 

 僕が考えた村上春樹の小説の魅力は以下の3つ。これら3つに共感できる人は彼の小説にハマり、受け付けない人は苦手になるのだと思います。

 1. 哲学的な名言にあふれた会話・突拍子のない比喩表現が頻繁に出てくる「文体・文章」。

2. 最後まで読んでも直接的には意味不明なのだけど、いろんな解釈が出来る「示唆的なストーリー」

3. 登場人物の会話の中に出てくる「文学・音楽・歴史・哲学に関する教養ネタ」

 

 僕も最初の頃は、上記3つを前面に押し出してくる小説が初めてだったため反発心を覚え、心の中で「こんな奴いないよ」とツッコミを入れながら読んでいましたが、いつの間にか慣れて「こういう世界観があってもいいかも」と思えるようになってきたような気がします。

 たぶんそれが、読書力が上がった(読書における許容範囲が広くなったという意味で)ということなんじゃないかなぁと自分なりに解釈しています。

 

 これまで読んだのは4作品。「1Q84」「多崎つくる」「海辺のカフカ」「世界の終りとハードボイルドワンダーランド」。今のところ、「世界の終りとハードボイルドワンダーランド」が一番面白かったです。(2つの世界が繋がるところとか、主人公の最後の方の心境の描写とかが好き)「ノルウェイの森」「東京奇譚集」を次は読んでみます。