2016年NHK大河ドラマ、三谷幸喜脚本の戦国ものに決定!&「新選組!」感想

 再来年、2016年のNHK大河ドラマが、三谷幸喜脚本の戦国ものに決定!

 僕にとっては、今年一番のグッドニュース。(2014年「軍師官兵衛」、2015年「花燃ゆ」の翌年なので、だいぶ先の話ですが...)題材は未発表ですが、以前三谷さんが希望していた「真田幸村」が有望なんですかね。

 

大河ドラマ×三谷幸喜

 僕は、大河ドラマは中学生の頃「独眼竜政宗」以来、三谷幸喜脚本は高校生の頃「やっぱり猫が好き」以来、大好物。なので、そのコラボが実現した大河ドラマ新選組!」のあった2004年は、毎週の放送が楽しみで、僕にとってとても楽しい1年だった。

 でも「新選組!」は当時、史実重視で重厚な芝居しか認めない大河保守層からも、現代の価値観(恋愛とか反戦平和とか)を歴史ドラマに持ち込みたがるスイーツ層からも不評だったように思う。

  確かに万人が満足する内容ではなかったかもしれないけど、僕が「新選組!」全体を通して感じた主な魅力は以下の2つ。

 

1.喜劇→悲劇の落差

 前半は、近藤勇ら試衛館メンバーの笑いと希望に満ちた青春群像劇。それが中盤になると、新選組になって成りあがっていく一方で意見の食い違いから仲間割れしていく過程を描き、後半は時代の流れに逆行して幕府とともに滅ぶ悲劇となっていく。

 大河ドラマは1年間50話かけてゆっくり、主人公たちの人生の浮き沈みを描いていく。特に「新選組!」は、NHKにクレームが来るくらい前半のコメディ色が異常に強かった。だからこそ余計に、後半の悲劇(戦い・別れ・死)で昔の楽しかった場面が思い出されて泣けるのだ(その落差が大きければ大きいほど)。

 3ヶ月10回程度の民放ドラマでここまで濃密に人の人生を描くことはできないだろう。

 

2.敵にも感情移入できる

 僕にとっての質の良いドラマの条件の一つは、「主人公と敵対する人物についても背景をきちんと描いて、感情移入できること」。

 新選組と敵対する登場人物に、芹沢鴨伊東甲子太郎桂小五郎などがいるんだけど、みんな彼らなりの志や弱さを持っていて、憎めない。また、新選組が仲間割れして、処刑されたり敵になったりしていく面々(山南敬助藤堂平助)についても、しっかり袂を分かっていく過程が描かれているので、そっち側の感情も良く分かるのだ。

 人間って誰でも良い面・悪い面があるし、視点が変わればその善悪って逆転するもの。幕末の志士たちは彼らそれぞれの正義や志を持って生きていたはず。だから僕は、勧善懲悪で敵味方が分かりやすい他のドラマより、よっぽど「新選組!」の方が人間を描いていると思うのだ。

 


 これら以外にもキャラクターや徹底した伏線回収など、細かい魅力もいろいろあるのだが、なにぶん10年も前の作品で詳細を覚えていないので、近い内にDVDで観なおして感想をまとめたい。