アニメ「魔法少女まどか☆マギカ」感想

いまさらながら、アニメ「魔法少女まどか☆マギカ」TV版の感想。

なぜこのアニメに魅力を感じるのか、を考えてみた。

 

前半(第5話くらいまで)

最初のツカミは3つのギャップ。

  1. かわいらしい萌え系の女の子の絵と、何だか分からない前衛的で無機質なデザインの敵キャラ(エヴァの使徒に近い)とのバトル。
  2. 魔法少女」という言葉が一般的に持つかわいいイメージと、実際なってしまうことにより起こる過酷さのギャップ。
  3. 過酷さを知って「魔法少女」になるべきかどうか迷う、主人公の精神的・哲学的な葛藤。でも絵は萌え系というギャップ。

前半までは、バトルの見せ方が新しいけど、昔ながらの「努力・友情・勝利」に、エヴァあたりから主流となった「セカイ系」「主人公の精神的葛藤」「本編を観ただけは理解不能な壮大で緻密な裏設定」を加えた、過去アニメの集大成的なものかなあ、と思いつつ観ていた。

 

後半(第6話以降)

「伏線の回収」や「どんでん返し」がいろいろ出てきて、いい意味で裏切られ、自分の考えの浅はかさを思い知らされた。

つまり、前半で想像していたストーリーとのギャップ。

  1. 「伏線の回収」 … 作品世界観の謎がいろいろ明らかになるにつれ、最初の頃のあのシーンはこういう意味だったんだ、って分かること。
  2. 「どんでん返し」 … それまで思っていた善悪・好き嫌いの基準が覆されること。

第10話まで観た時点では、もしかしたら漫画版デビルマンみたいなバッドエンドなんじゃないか、と思ってしまうくらい、途中までだと非常に後味が悪く、早く結末を知りたい、そんな気持ちにさせてくれるアニメだった。

 

このアニメが影響を受けているんじゃないかと思った作品

自分が感じたものは、

  • エヴァ … 主人公の「戦う意味」についての精神的葛藤。
  • 火の鳥未来編 … 主人公が神化して、宇宙の歴史をやりなおす、という解決方法
  • 寄生獣 … 人類を超越した存在を知ることによる、「地球は人類だけのものなのか」という命題
  • ハルヒドラえもん・他時間旅行SF … 時間を繰り返して歴史を変えようとするところ

 

総括

気持ちよく騙された。ラストも単純な「おめでとう」みたいなのではないけど後味が悪く、考えさせられた。

映画化もされ、一部サブカル層での評価は抜群だが、エヴァンゲリオン並みに一般市民にその面白さが浸透しているかというと、そこまでではない気がする。

もっと、このアニメの魅力を多くの人に理解して欲しいと強く感じる。