未来を描いた本・アニメ・TVドキュメンタリー

 最近、ITの発達した未来社会を描いた本・アニメ・TVドキュメンタリー(以下4つ)を読んだり観たりしたので感想。

 ひと昔前のSFだと、コンピュータに強制的に支配されたり、ロボットに反逆される怖さが描かれることが多かったと思うのだけど、上記で描かれているのは、知らず知らずの内に人間が機械・コンピュータの便利さに依存していって、いつの間にか支配されたり、人間が退化してしまっている怖さ。

 「PSYCHO-PASS」「NHKスペシャル-ネクストワールド」では、市民一人ずつが持つ人工知能秘書(3Dホログラムで部屋に同居人のようにして居る)が、毎日のスケジュール管理や休日のお勧めの過ごし方提案などをしてくれ、みんなそれに従って過ごしていた。

 更に、「NHKスペシャル-ネクストワールド」「クラウドからAIへ」では、人工知能が、ヒットする要素の強い楽曲を選んで音楽会社がそれを基準にプロモーションしたり、犯罪の起こりそうな地域を予測して警察が取締りを強化したり、恋愛相手のマッチングしたり、株を高速で自動売買したりを、2015年の現在でも既にやっていることが紹介されていた。

 人工知能秘書くらいまでは便利そうだけど、ヒット曲や恋愛相手みたいな人間の心に関することまで機械に決められたくない気はする。平均的な現代人の感覚では。

 でも、徐々に慣れていって、いつかそう思わない時代が来てもおかしくはない。携帯電話・スマートフォン・カーナビ等のお蔭で、我々は電話番号や道順や漢字を覚えないで良くなったし、Amazonのお勧め機能には過去の検索履歴から次に読むべき本を決めてもらえる。便利な反面、単純記憶することや、自分の興味範囲外の本との出会いの機会は、以前より少なくなっているかもしれない。

 たぶん、生活が便利になる事を止めることは出来ない。だからこれからは、人間は使わなくなった余った脳で、何か別のことを考えていくようにしないといけないんだろう。未来を描く作品の多くには、科学技術の素晴らしさの反面、現代への警告も含まれているのだと思う。

 

http://www.nhk.or.jp/nextworld/

モダンタイムス(上) (講談社文庫)

モダンタイムス(上) (講談社文庫)

モダンタイムス(下) (講談社文庫)

モダンタイムス(下) (講談社文庫)