映画「寄生獣」感想


映画『寄生獣 完結編』公式サイト

 

 映画「寄生獣PART1」を会社後輩と観に行った。寄生獣は僕にとって、高校大学時代に人生観・価値観を変えてくれた大事なマンガ。実写化は心配な面もあったけど、今回の映画はとても良く出来ていたと思う。

 

 VFX映像の迫力・グロさも確かに魅力なのだけど、この作品の本質的なテーマだと僕が思っている
・人間とその他の生物との共存
・人間の素晴らしさ(論理的でないところや残酷なところ含めて)
・立場・視点によって「正しさ」の価値観は変わるものだ
みたいなことが感じられたので、とりあえず僕としては満足。

 で、後輩と映画について話していて、僕にとってなぜ「寄生獣」が殿堂入りマンガなのかの理由に一つ気付いた。

 正体不明な生き物と人間との戦いという大きなくくりで言うと、「進撃の巨人」「GUNTZ」「寄生獣」って同じジャンルなのかもしれないけど、他作品は読者へ向けての「謎」がいくつもあってそれが物語が進むにつれて明かされていくというミステリー要素があるのに対し、「寄生獣」に「謎」ってあんまりない気がする。(ここで言う「謎」=登場人物の誰かは知っている事実が主人公や読者に隠されていること)
 読者は主人公や寄生生物たちが知りうる情報を最初からほぼ全て持っていて、
物語は、寄生生物が出現したという最初の事件から派生する、必然性のある出来事の連続で進められていく。(広川市長の正体だけは、読者が知り得ない「謎」かもしれないけど)
 ミステリーものも面白いのだけど、一度読んで「謎」の答えを知った上で再読すると面白さは半減してしまう。でも、謎ときがメインでない「寄生獣」は、何度読んでも面白さが変わらない気がするのだ。

 だから、僕にとって普遍的な名作だと感じるのだと思う。

映画『寄生獣』公式サイト